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基本は郵便貯金

その昔、我が国には、郵便貯金と呼ばれる庶民の味方が、あった。郵便局という地域の経済の窓口が、津々浦々に浸透し、人々は、そこで大切なお金を貯(た)めていた。なぜなら、その町には、ほかに目立った金融機関が無かったし、町の人たちも裕福ではなかったからだ。金は、「預ける」というよりも、「貯める」性質であったのかもしれない。

「預金」と「貯金」の使い分けが、そこらへんの事情を語る。少なくとも、前者は「銀行預金」で、後者は「郵便貯金」だ。庶民は、資産家ではない。金は預けるものではなく、自力で貯めるものでなくてはならなかった。だから、庶民は、郵便貯金を利用したのだ。

「貯める」か「預ける」かには、暗黙の了解もあったようだ。庶民か、資産家かの差だ。だから、銀行預金よりも、郵貯の金利が良かった。もっと良かったのは、その差を、誰もが美徳と信じて、疑わなかった点だ。つまり、銀行側も資産家も、郵便局の存在を認めていた。だから、私たちには関係ないよと……。

やがて、内閣総理大臣・小泉淳一郎が登場する。郵政改革と直結する人物だ。おそらく彼は、日本史に名を残すだろう。だが、さらに10年後の評価は、どうだろう。郵政民営化の答えも、一応は出ているはずだ。

二十一世紀になって、十年以上が経過したが、郵便局は存在する。だが、その実際が違う。実態だろうか、実体だろうか。郵貯が、ゆうちょになったが、ユーチョは無かったのか。何が、どこが違うのか。はたまた、ゆうちょはどこを目指さなければならないのか。具体論ではなくて、そのココロを探る。