Archive for 1月, 2013

ゆうちょの実態

ヨーロッパに、財政の破綻した国がある。古代に哲学やオリンピックを生み出した、文明の発祥地だ。彫りの深い人体像とも相俟って、私の憧れる国だ。聞くところによると、現代は、国民の過半が公務員で、庶民の倍の給与を得られ、手厚い保護も受けられるそうだ。人々から競争心が失せ、経済活動が停滞した。国債がかさみ、やがて同盟国にも相手にされくなった……。

なぜ、上述を枕にしたかといえば、ゆうちょに、似たような傾向を感じるからだ。名がひらがなになって、丸みを帯びたのはよろしいが、やることは、一般的な銀行に近づいてはいまいか。金は、物の代名詞なのだから、その点は致し方ない。どれだけゆうちょの理念を語っても、運用すれば、ゆうちょも銀預も同じようなものか。

今、ゆうちょ銀行のCM情報に注目すると、「こころの、つながり、つくりませんか」「つかえる、つながり、つくりませんか」が、キーワードとして浮かび上がる。タレントを庶民的な顔でそろえ、絵にほのぼの感がある。まあ、そんなものなのだろう。世界一の金融機関と囁かれても、地道にやってゆかねばならぬ戦略は、暗黙の了解だ。

ただ、どうしても気になることが、ひとつある。「ゆうちょ」にしても然りだが、フレーズが平仮名だけなのだ。ひらがなが柔らかさを醸し出すのは、ほぼ定説だ。だが、わざとらしく読点で切りながら、漢字を用いないコピーに、むしろ下心が見える。子供の貯金者を狙ったのだろうか。それは、それでいい。でも、「心の(使える)つながりを作りませんか」が、自然でいい。